トレンドヒストリーから見る男の休日に芽生えたバッグの必然性

手提げ、肩掛け、背面掛け、とすっかり多様化されたが、近年までは大人の男性の休日バッグといえばトランクケースやボストンバッグ、バックパックが中心。旅行以外は手ぶらがセオリーだった。というのも男性にとってバッグはあくまで道具のひとつ。化粧ポーチを持ち歩くことのない男性にとって、街使いバッグは必要とされなかったのだ。
特定ブランドの隆盛はあったものの、大人の男性に向けた街使いバッグが初めて認知されたのは、2000年代のこと。ビジネスウエアのカジュアル化に伴い波及した、ON/OFF仕様のトートバッグが前兆とされている。

トート人気の裏にはプレッピーの功績が!

男性の街使い用バッグの浸透は、2005年のクールビズ推奨に端を発する。ビジネススーツからジャケパンスタイルへ移行。これに伴いバッグもレザーブリーフからナイロンブリーフを経て、ON/OFF兼用のトートバッグに至った。とりわけ人気を博すL.L.ビーンだが、その理由のひとつに第一次プレッピーブームの影響は見逃せないだろう。日本の第一次プレッピーブームは、80年代初頭に起こる。プレッピースタイルがL.L.ビーンを推奨したのは承知の事実だが、1ドル=200円台、販路の乏しい時代。L.L.ビーンは、当時、多くの若者にとって憧れの対象だった。こうした熱を覚えたL.L.ビーン世代が現在のトート支持の中核をなしているとも言える。

イタリアブランドが提案した2WAYトート

2006年になると男性ファッションは「モテ」にシフト。「セクシー」「艶」をキーワードに高級感のあるアイテムが人気を博した。そんな中、休日バッグはというとデカバッグブームが到来。2003年に日本上陸を果たしたイタリアブランド、ダニエル&ボブによるハンドショルダーバッグ(クレセントバッグ、エディターズバッグ)「ジョシュア」「ジャスミン」が一躍話題になった。このバッグの特徴は、容量の大きさと共に、肩掛け&斜め掛けに対応する2本のストラップと三日月形のフォルムにある。トートバッグの様に無造作な収納性と高いフィット性の両立は、見た目以上に道具としての進化を感じさせる物だった。

NY発!!プロ仕様のエコショルダー

地球環境の危惧に目を向けるエコバッグが話題となった2007年を経て、2008年はエコと健康意識の高まりを感じさせる時代に突入。ライフスタイルの変化も顕著となり、山登りやランニング、スポーツバイクが流行の兆しを見せた。これにより休日バッグの流行も変化が現れる。とりわけ伸び代を見せたのが、メッセンジャーバッグ。火付け役となったのが、フライターグだ。スイスのバッグブランドが手掛ける、このアイテムはリサイクルマテリアルを使用した1点物が特徴。そもそもが、NY発祥の自転車便愛用のプロツールであることなど、都会的なイメージと道具としての信頼性が重なり、市民権を獲得していった。そうした中で、さらなるフィット感を求めたショルダーバッグが注目を集めていく…。